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中古マンション市場は買い手に有利
本当に住みたいマンションが見つからない理由
なぜ、マンションの間取りが70年代から30年以上経っているのに、LDK中心とした画一的な間取りのままなのでしょうか。
これにはマンション建設業者の思惑があるからです。マンション建設で最もお金がかかるのは土地の購入費です。
バブルが崩壊し土地の値段が下がったといっても、駅から徒歩数分以内とか、眺望がいいとか閑静な住宅街といった立地条件がいいところの土地はそんなに安くはなっていません。
すると業者はどこで利益を出すのか? 建築費用です。そのために間取りを画一的にします。一定量を生産できればコストダウンが可能だからです。
たとえば販売戸数百戸の大型マンションを建設する場合、各住人の希望を聞いて、100通り以上の間取りを用意するとなると、そのコストは大変なものになります。
それが5〜6タイプ用意して、その中から選んでもらう方式なら、大量仕入れが可能になるので、ある程度コストを抑えることができます。
間取りが画一的なのは、少しでもコストを安く抑えて儲けを出したいという業者の考えがあるからといえます。
だがそれは業者側の言い分でしかありません。つまりこの言葉は、住む側の立場でマンションを供給していない証拠ともいえるでしょう。本当に住みたいマンションがなかなか見つからない理由は、そこにあるのです。
耐震性に問題のない中古マンションのストックは非常に多い
さて、そのマンションですが、70年代前半の"第三次マンションブーム"といわれた時代に供給されたマンションが築30年を超え、いま三大都市圏で、ストック数が急激に増加しています。2006年に50万戸を超え、2011年には100万戸を超えるといわれています。
ところで、この70年代に建てられた団地タイプのマンションは実は現在のマンションとは建築方法に差があり、同時に、耐震強度の問題もあります。
というのも、現行の「震度6程度の巨大地震に耐えられる耐震基準」を満たす物件は70年代のものにはあり得ないからです。耐震基準が変更されたのは、81年に建築基準法改正以後のことだからです。
建築確認申請から工事期間を経てマンションが完成する平均期間を約1年半〜2年とすると、83年以降に建築された物件が該当します。つまり、建築された年が83年以降なら、耐震強度をクリアしたマンションと考えてよいと思います。
実はこの新建築基準法をクリアした中古マンションのストック数は三大都市圏の全マンションストック数の約7割を占めるといわれています。つまり、中古マンションのほぼ7割は、耐震性に問題がない物件というわけです。
しかし発想を転換すれば、こうした耐震性に問題のある物件も含めて、全中古マンションのストックは三大都市圏だけで130万戸を超えているということなので、価格面ではまだまだ下がる余地があるということになります。
ストック数が多いということは需要より供給量が多いということですから、購入する側には非常に有利だということになります。
つまり中古マンション市場は買い手側に大きな魅力があるということになるわけです。